「ここに来るとひめちゃんに会う確率高いな」
目の前まで来た先輩は、相変わらず爽やかに笑う。
「今日はひとり? いつも一緒にいる友達は……あ、おつかい?」
「え、あ、これは……」
腕に抱えた2本のスポーツドリンクを指差して、問いかける先輩。
「今日暑いもんね」なんて、続けて笑いかけてくれるけど。
違う……。
これはいつも一緒にいる友達、茜ちゃんに頼まれて買ったものじゃない。
「ひめちゃん……?」
さっきまで平気だったはずなのに、少し気が紛れていたのに、思い出してしまった茜ちゃんとのこと。
すると胸の奥から熱いものが込み上げてきて、俯いたあたしは返事することも顔を上げることも出来ない。そこに、
「めっちゃ喉かわいた〜!!」
「私もー。炭酸飲みたい」
聞こえてきたのは、他の生徒達の話し声。
どうしよう……と、思っていると、
「ひめちゃん、ちょっと移動しようか」
あたしの背中にそっと手を回し、先輩がそう静かに言ってくれた。



