『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



舞花ちゃんはもちろん、彼女の友達たちも悪い人じゃないことは、この3日間でよく知っている。

だけどもあたしはいつもは輪の中にいない人間で、やっぱり遠慮しちゃうというか、居づらいというか……。


更にはさっきのこともあって、急いでお弁当を詰め込むと、「部活の用事があるから」と、教室をひとり出た。


席を外したグループの中で、あたしの悪口を言われていたらと思うと、少し怖い。

舞花ちゃん達が声をかけてくれなければ、今度こそ本当にひとりぼっちになってしまうかもしれないし。


だけど、たとえ孤立してしまったとしても、茜ちゃんのことを悪く言うことだけはしたくなかった。


どうしたら茜ちゃんと仲直り出来るだろう。

望くんか、隼人先輩か、あたしがハッキリすればいいの……?

でも──。


ぐるぐる考えているうちに、いつの間にか下駄箱の前まで来てしまっていた。

もちろん、『部活の用事』なんて嘘。
だけど他に行くところなんてなくて……。

とりあえず、備品の整理でもしておこうかな……。

そう思ったあたしは、目の前のスニーカーを取り出した。