『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


あたしはじっと中村くんを見つめる。すると中村くんは『困ったな』と言わんばかりに、軽く苦笑した。


「俺は……彼女とかそういうの、作る資格ないから」

「え……」


どこか寂しげな表情をして、さらりと流すように告げた中村くん。

資格がないってどういう意味かと尋ねようとしたけれど、ちょうど先生が入ってきて会話は途切れてしまった。


「起立、礼」と、日直の人の号令に合わせて挨拶をして、着席する。


「えー……今日の授業は前回の続き……」


中村くんのことが気になりながらも、先生の声に教科書を開いている……と、


「俺のことはいいとして、部長はからかってるだけじゃないと思うよ?」


中村くんが小声で話しかけてきた。そして、


「今日の放課後は、結城とどっか行ったりすんの?」

「放課後?」


続けられた言葉に首を小さく傾げると、


「あれ?聞いてない? 今日の放課後は部活休みだって……」


中村くんこそ不思議な様子で、首を傾げられた。