「それに……」と、俯いていた顔を上げ、あたしは中村くんを見る。
「中村くんだって、そうじゃん? 言い寄ってくる女の子全員に優しいけど、どの子に対しても本気じゃないっていうか、からかって遊んでるだけ……っていうか」
「……」
あたしの発言に、中村くんはポカンとした顔をして、何か変なこと言ったかな……と、考えていたら、
「姫乃ちゃん、俺のことそんな風に思ってたの?」
「え、だって……!」
フハッと吹き出して、お腹を抱え笑う中村くんに声を上げる。
望くんと付き合うようになって、サッカー部のマネージャーになって、一緒に過ごしていくうちに何となく感じた。
カッコ良くて、性格も気さくで明るい中村くんは、学年問わず女子にとても人気がある。
中村くん自身もまんざらでもなさそうに、そんな女子達に優しくしているけど、でもそれはうわべだけ。
その証拠に……。
「中村くん、ちゃんとした彼女っていないでしょ? 何で作らないの?」



