『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。




……うわ、3番。一番前の席だ。


化学室に到着して、教卓の上に置かれた箱から一枚の紙切れを取り出したあたしは、その番号に思わず顔を歪めた。


『毎回席替えした方が、新鮮で楽しい』という先生の考えから、化学室で行う授業の時はいつもクジを引いて席を決める。

確かに新鮮といえば新鮮だし、特に苦手な人もいないから別にいいけど、やっぱり少しは誰と一緒になるのか気になって、ドキドキする。


……の、前に、今日は一番前かぁ。

授業中、先生に当てられる確率が自然と高くなるから嫌なんだよね……なんて思いながら、一番端の席へと向かうと、


「あ、姫乃ちゃんだ」

「中村くんっ!」


横に2人ずつ、計4人座ることが出来る実験台。

番号で言えば4番。あたしの隣の席に先に座っていたのは、中村くんだった。


「良かったぁ……」


中村くんとは部活を通して親しくなって、他の男子よりも仲が良い。

すっかり気の許せる友人で、ホッとして声を漏らしながら椅子に座ると、


「もうちょい早かったら結城と代わってあげたのに」


中村くんはイタズラな笑顔でそう言ってきた。