『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



望くんと隼人先輩、ふたりを待たせてしまわないように、急いで着替えて更衣室を出た。

そして部室の方へと向かうと、ちょうど着替え終わった部員のみんなが出てきているところで……。


「あ、姫乃ちゃん大丈夫?」


松葉杖を使って歩くあたしに、真っ先に声をかけてきてくれたのは、中村くん。


「どうしたの?忘れ物?……っていうより、結城?」

「う、うん……」


望くんに会うのは間違いじゃなくて、頷いてみせる。

だけど、あたしの表情は彼氏を待つものじゃなく、素直に微妙なものになっていたんだと思う。


「もしかして……部長と結城と、なんかあったの?」


「結城、部長に呼び止められてて……」と、続ける中村くんに、何と返事したらいいのか分からない。

抱き合ってるのを見られちゃって、なんてとても言えないし……。


困っていると、一度閉じた部室のドアがガチャっと開き、


「ひめちゃん」


顔を出してあたしを呼んだのは、隼人先輩だった。

「はいっ」と肩を飛び上がらせたあたしは、中村くんに「ごめんね」と謝って、部室の中に入った。