『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


しかも今度は、支えられてるんじゃない。

しっかりと抱きしめられていて……。


「それ、わざとやってんの?」

「え……」

「部活中だから、何もしないつもりだったけど……そんな可愛い顔されたら、無理」

「っ……!?」


ぎゅっと抱きしめられたまま、耳元で囁かれた言葉に息を止める。


「可愛い顔なんて、そんなっ……」

「してるよ」


あたしの言葉を遮って、言い切った望くんはゆっくりと身体を離すと、


「……昨日、西川先輩にもそんな顔見せた?」


あたしの頰に軽く指をあて、そう訊いてきた。


あたし達の他には誰もいない、ふたりっきりの部室。

真正面から向き合った望くんの表情は……どこか苦しそうにも見えて。


「み、見せてない!!」


あたしはぶんぶんと首を横に振る。

隼人先輩に抱きかかえられた時、そりゃあ少しドキッとはしたけれど、その大きさは全然違う。

今の方がドキドキして、上手く呼吸も出来ないくらい。


必死にあたしが否定すると、望くんは少しホッとしたように微笑んで、クイっとあたしを引き寄せ、再び抱きしめた。