「肩にクモが……」
「へっ、クモ!? やだ待って! きゃっ……!?」
思っていたのと全然違う、望くんの指摘。
焦ったあたしは咄嗟に逃げようとして、バランスを崩した。
そして──。
「あっぶね……大丈夫?」
「う、うん……ごめ、虫苦手で……」
倒れかけたあたしを抱き止めてくれたのは、望くん。
「もう落としたから大丈夫」
「あ、ありがとう……」
ポンポンと軽く肩をはらってくれ、そう言ってくれた望くんにお礼を告げる……けど。
今度は別の意味で大丈夫じゃない。
だ、だって……近すぎる、これは。
意図せず、望くんの腕の中にいた。
助けてくれただけだって分かっているけど、ふたりっきりの室内で、想像していたよりもずっとしっかりした身体に、ドキドキする。
真っ赤になってしまって、顔を上げられない。
「菜子って、結構危なっかしいとこあるよな。気をつけないと……って」
ゆっくりと身体を離し、喋っていた望くんの口が急に止まる。そして、次の瞬間──。
「っ……!!」
グイッと片手を引かれたと思ったら、あたしは再び望くんの腕の中にいた。



