『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


パタンとドアが閉まり、途端に静かになる部室内。


「ったく……」


頭を抱え、参ったといわん様子で呟いた望くんの声が響いて。

中村くんはああ言っていたけど……。


「聞かないほうがいい、かな?」


あたしは恐る恐る、確認するみたいに口をついた。


「いや、別に聞いてもらってもいいんだけど……」


すると望くんは少し困ったような顔をして、頭を掻きながら、


「実は、手伝いに来ようとしてたのって本当は部長……西川先輩だったんだ」

「えっ……」


望くんの口から出てきた名前にドキッとする。


「でもそれを、中村が1年の自分が手伝いに行くって止めてさ。同じクラスだからって言って、上手く俺も誘ってくれたんだ」

「そうだったんだ……」

「俺と菜子が付き合ってんのは部長に知られてるし、俺から行くって言うのは難しかったから、今ここにいられんのは中村のおかげ、なんだけど……」


何だか少しバツの悪そうな顔をして、言葉を濁らせる望くん。

言わんとしていることは……なんとなく、分かってしまった。