『それってさぁ……菜子に気があるんじゃない?』
「へっ!?」
捻挫をしてしまった、その日の夜。
自室でベッドの上に腰掛け、茜ちゃんと通話をしていたあたしは、思わず大きな声を上げた。
「ない! それは絶対にない!! 彼女いるからって、あたしきっぱりフラれてるんだよ!? 」
捻挫したことから始まり、今日の放課後のことを茜ちゃんに話していると、内容はいつの間にか隼人先輩のあの言葉……あたしがマネージャーを引き受けたのは、望くんがいるからなのか……と、問われたことについてになったのだけど。
あたしに気があるなんて、そんなの絶対有り得ない!
ハッキリ言い切ってみせるあたしに、『でもさぁ……』と茜ちゃんが食い下がる。
『怒ってんのにいつでも連絡してとか、そんな優しいこと言わなくない?』
軽く言った茜ちゃんの言葉に、「そ、そうだけど……」と、言い淀む。