「先生ー……ってあれ、いないや」
隼人先輩に抱き抱えられたまま、保健室まで連れられ、引き戸を開けられた先には先生の姿はなかった。
「職員室とかかな? とりあえず椅子に降ろすよ?」
「あっ、はい」
先生の机のすぐ側の丸椅子に、お尻からゆっくりと降ろされる。
2台あるベッドを囲むカーテンは開いていて、あたし達の他には誰もいないみたい。
「ありがとうございます。腕、痛くないですか?」
「あはは、俺の心配なんかいらないよ。全然軽かったし。それより、姫ちゃんの方こそ大丈夫?」
そう告げて先輩は、しゃがんであたしの足首へと手を伸ばす。
そして、「ちょっとごめん」と靴下を脱がすと、露わになった足首へと軽く触れた。
「やっぱちょっと腫れてる……な」
赤くなった足首を確認した先輩は、小さく呟くと立ち上がり、保健室の隅に置かれた小さな冷蔵庫を開ける。



