「あ、はい、ごめんなさい。大丈夫です……って、うっ……!」
差し出してくれた先輩の手を取って、あたしは立ち上がろうとしたけれど、ズキンと鋭い痛みが左足首に走ってうずくまる。
「ひめちゃん?」
「あ、足首ひねっちゃったみたいです……」
スクイズボトルを持っていたせいで、変な所に力が入って倒れてしまったみたい。
マネージャーがケガをするなんて……と、痛む足首をさすりながら申し訳なく思っていると、
「俺、保健室に連れて行きます」
あたしを囲む部員達の人集りを押し退けて出てきたのは、望くん。
心配そうな顔をして、あたしに手を伸ばそうとする望くんにドキッとしたのもつかの間。
「いいよ、俺が連れて行く」
「っ……!?」
降ってきた声と同時に、フワッと宙に浮いた身体。
何が起こったのか一瞬分からなかったけど、見上げるすぐそこには隼人先輩の顔があり、あたしは先輩に抱きかかえられていた。
「先生が戻ってきたら、保健室に行ったこと伝えといて。俺もすぐ戻るから、みんなはいつも通り続けて」
先輩は真面目な顔をして、集まった部員達に指示を出す。
「望も、心配しなくていいから」
「……はい」
隼人先輩の言葉に望くんを見ると、何か言いたそうな顔をしながらも、静かに頷いた。



