案の定、あたし達が教室を出ようとした瞬間、冷やかしの歓声がドッと上がる。
ここにまた戻って来なきゃならないと思うと、少しばかり気が重くなる。
でも、今はそれよりも……。
廊下をしばらく真っ直ぐ進んで、突き当たりになる階段の踊り場で、あたしはやっと足を止めた。
「姫乃……?」
静かに響いた結城くんの声に、ドクンと鼓動が跳ねる。
生まれて初めて告白というものをされて、のぼせ上がってしまうくらいに嬉しかった。
嬉しかったけど……信じられない。
結城くんがあたしのことを好きなんて、やっぱりどう考えても理由が分からない。だから……。
「罰ゲーム、なんでしょ……?」
「は?」
「あたしのこと好きとか、罰ゲームで言わされただけでしょ?」
きっと結城くんは何かの罰ゲームで、あたしに告白をしろと命じられたんだ。
さっきの授業中、考えて考えて……唯一納得のいく結論が、それだった。
「……」
「ゆ、結城くんもあたしに告白なんかさせられちゃって、災難だったよね。ごめんね」
目の前の結城くんは眉を寄せ、ムスッとした顔。
焦ったあたしは、目を逸らそうとした。
……だけど。



