そう言ったあとで、

「しかし、いいなあ。
 あの専務に100個の願いかー。

 夢が広がるなー」
と内藤は楽しそうに言う。

 何故、お前が広がる……。

 そして、目を輝かせた内藤は案の定、こう言ってきた。

「金、くれ、とか100回言ってみたらどうだ?」

 カネ、クレ。
 カネ、クレ。
 カネ、クレ。

 電報か、と思いながら、化粧直しがあるので、お手洗いの前で内藤とは別れた。