「婚約者はいない。
ただの許嫁だ。
俺が産まれる前から決まってた話だ。
相手が断ってくる可能性もあるから、今も有効かどうかは定かではない」
そのあと、内藤は、自分だけ訊いては悪いと思ったのか。
こっちが遠慮して訊かなかったことまで、ベラベラしゃべってくれた。
「学生時代から付き合ってた彼女が急に会いたいと言うんで、なにか嫌な予感がしながらも行ってみたら、案の定、フラれたんですよ。
そろそろ結婚しようと思ってたのに」
「そ、そうなんだ?」
こ、こんなとき、なんてコメントしたらいいんだ。
あんた、モテるからいいじゃんってのも、いまいち慰めになってないし。
うーむ、とあやめが悩んでいると、内藤が、
「でも、俺、フラれたの、お前のせいだぞ」
とあやめに向かって言い出した。
ただの許嫁だ。
俺が産まれる前から決まってた話だ。
相手が断ってくる可能性もあるから、今も有効かどうかは定かではない」
そのあと、内藤は、自分だけ訊いては悪いと思ったのか。
こっちが遠慮して訊かなかったことまで、ベラベラしゃべってくれた。
「学生時代から付き合ってた彼女が急に会いたいと言うんで、なにか嫌な予感がしながらも行ってみたら、案の定、フラれたんですよ。
そろそろ結婚しようと思ってたのに」
「そ、そうなんだ?」
こ、こんなとき、なんてコメントしたらいいんだ。
あんた、モテるからいいじゃんってのも、いまいち慰めになってないし。
うーむ、とあやめが悩んでいると、内藤が、
「でも、俺、フラれたの、お前のせいだぞ」
とあやめに向かって言い出した。



