しかし、この昼休みの短時間にフラれるとか、器用な奴め、とあやめが思っていると、
「いいですか?」
と言いながら、ぼんやりしたまま、内藤は後部座席に乗り込んできた。
そこで、ようやく、自分を振り返っているあやめと基の顔を確認したらしく、ああ、と呟くように言う。
「やっぱり、専務だったんですね、あやめ……、古川の相手は」
いや、なんの相手だ、とあやめは思ったが、基は否定せずに、
「何故わかった?」
と内藤に訊いていた。
「いいですか?」
と言いながら、ぼんやりしたまま、内藤は後部座席に乗り込んできた。
そこで、ようやく、自分を振り返っているあやめと基の顔を確認したらしく、ああ、と呟くように言う。
「やっぱり、専務だったんですね、あやめ……、古川の相手は」
いや、なんの相手だ、とあやめは思ったが、基は否定せずに、
「何故わかった?」
と内藤に訊いていた。



