「今日は帰りが遅くなりそうだ。
車は昼に見に行こう」
は? と振り返ったあやめに、
「行き帰りの時間もあるし、昼食もとらないといけないから、20分で車決めろよ」
と言いながら、基は、もう閉めるのボタンを押していた。
断られるのが嫌だったからだ。
「いや、だったら、明日にすれば――」
というあやめの言葉は扉に阻まれ、聞こえなくなった。
それにしても、なにを怒ってたんだろうな、と思いながら、基は車の待つ一階で、エレベーターを降りた。
車は昼に見に行こう」
は? と振り返ったあやめに、
「行き帰りの時間もあるし、昼食もとらないといけないから、20分で車決めろよ」
と言いながら、基は、もう閉めるのボタンを押していた。
断られるのが嫌だったからだ。
「いや、だったら、明日にすれば――」
というあやめの言葉は扉に阻まれ、聞こえなくなった。
それにしても、なにを怒ってたんだろうな、と思いながら、基は車の待つ一階で、エレベーターを降りた。



