「専務は、きゅんとか来なさそうな人ですよ?」
とあやめは言ったが、浜波は、
「いや、あの人だって、生きた人間でしょう?」
と言うその口調が、逆に、ほとんど、まともではない人間に、ちょっぴり人の心がある、みたいに聞こえて、逆にひどい。
浜波は、腰に手をやり、座るあやめを見下ろして言った。
「来週から、うちに来るのよね? 古川。
一応、言っとくけど。
私、専務にあてがわれた女みたいに言われてるけど、別に愛人じゃないし、恋人いるから」
は、はあ、と言っている間に、浜波は、さっさと行ってしまった。
まあ、あの専務のことだ。
仕事ができるからこそ、浜波さんを秘書にしてるんだろうけど、と思いながらも、ちょっと気になり、エレベーターに基がひとりで乗っているときに、飛び乗って訊いてみた。
「お疲れ様ですっ」
と閉まりかけた扉から滑り込み言うと、書類を見ながら、なにか確認していた基が、珍しく驚いた顔を見せたので、つい、にんまりと笑ってしまう。
とあやめは言ったが、浜波は、
「いや、あの人だって、生きた人間でしょう?」
と言うその口調が、逆に、ほとんど、まともではない人間に、ちょっぴり人の心がある、みたいに聞こえて、逆にひどい。
浜波は、腰に手をやり、座るあやめを見下ろして言った。
「来週から、うちに来るのよね? 古川。
一応、言っとくけど。
私、専務にあてがわれた女みたいに言われてるけど、別に愛人じゃないし、恋人いるから」
は、はあ、と言っている間に、浜波は、さっさと行ってしまった。
まあ、あの専務のことだ。
仕事ができるからこそ、浜波さんを秘書にしてるんだろうけど、と思いながらも、ちょっと気になり、エレベーターに基がひとりで乗っているときに、飛び乗って訊いてみた。
「お疲れ様ですっ」
と閉まりかけた扉から滑り込み言うと、書類を見ながら、なにか確認していた基が、珍しく驚いた顔を見せたので、つい、にんまりと笑ってしまう。



