少し行ったところで、赤信号にかかり、基の車は止まってしまっていた。 置いてきたあやめが気になり、バックミラーで、チラリと見ると、必死の形相で走ってくるあやめが見えた。 走ってこの車を抜かす気か、と笑ってしまう。 そのとき、ちょうど信号が変わったので、基は容赦無く、車をスタートさせた。 ああっ! という顔をあやめがするのが一瞬、見えて。 また、ちょっと笑ってしまった。