「どうした?」
「すみません。
エンジンがかからなくて」
「人を引き止めておいて、自分が出られないとは、笑うな」
と相変わらずの憎まれ口を叩きながら、基は運転席のドアを開け、中を覗き込んで来る。
いや、ちょっとっ。
あなたみたいな大きな人が上半身突っ込んできたら、狭いんですけどっ。
とあやめは座席にへばりつかんばかりになって、基の身体から逃げる。
今日はいい天気だからか、基のスーツはちょっとお日様の匂いがした。
「かからないな」
と呟いた基は、車から出ながら、
「このままだと遅れるな。
俺の車に乗れ」
と言ってくる。
「い、嫌です」
「すみません。
エンジンがかからなくて」
「人を引き止めておいて、自分が出られないとは、笑うな」
と相変わらずの憎まれ口を叩きながら、基は運転席のドアを開け、中を覗き込んで来る。
いや、ちょっとっ。
あなたみたいな大きな人が上半身突っ込んできたら、狭いんですけどっ。
とあやめは座席にへばりつかんばかりになって、基の身体から逃げる。
今日はいい天気だからか、基のスーツはちょっとお日様の匂いがした。
「かからないな」
と呟いた基は、車から出ながら、
「このままだと遅れるな。
俺の車に乗れ」
と言ってくる。
「い、嫌です」



