あやめは白とピンクのツートンの車に乗りながら、
「専務。
私より先に出ないでくださいよ。
部下より先に出社する上司は嫌われますよ」
と言って、牽制してみる。
「部下が後から来るのは確かに問題だが。
おのれが先に着くために、上司を止めるのはどうだ」
と基が言っている間に、あやめはエンジンをかけようとした。
一瞬でも早く出ようとしたからだ。
だが、
「……あれ?」
エンジンがかからない。
寒いから? と思っている間に、基は容赦なく、横でデカい車のエンジンをかけている。
おのれ、抜いてやるっ、と幼稚園児のように争っていたのだが、やはり、エンジンがかからない。
基はガレージから出たところで、車をとめ、戻ってきた。
「専務。
私より先に出ないでくださいよ。
部下より先に出社する上司は嫌われますよ」
と言って、牽制してみる。
「部下が後から来るのは確かに問題だが。
おのれが先に着くために、上司を止めるのはどうだ」
と基が言っている間に、あやめはエンジンをかけようとした。
一瞬でも早く出ようとしたからだ。
だが、
「……あれ?」
エンジンがかからない。
寒いから? と思っている間に、基は容赦なく、横でデカい車のエンジンをかけている。
おのれ、抜いてやるっ、と幼稚園児のように争っていたのだが、やはり、エンジンがかからない。
基はガレージから出たところで、車をとめ、戻ってきた。



