「お貸ししましょうか、我が家に代々伝わる犬の毛皮。
 動きによっては、本物の犬に見えますよ」

「いやー、同期会に犬は現れないでしょう」
とあやめが笑うと、高倉は、

「そうですね……。
 ゲーセンにも現れないようですね」
となにか思い出すように呟いていた。

 しかし、何故、犬の毛皮が代々家に?
と疑問に思ったあやめは高倉に訊いてみる。

「あのー、高倉さんって、結局、何者なんですか?」