100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

「少し歩こうか。
 港の側に公園がある」
と機嫌よく基が言ってくる。

 はい、とあやめは頷いた。

 寒い中、歩いていると、基の手の大きさとか温かさとかが、すごく頼り甲斐のあるものに感じられる。

 基もなんだかわからないが、
「……うん」
と笑顔で自分自身に頷くように言ったあと、ぎゅっとあやめの手を強く握ってきた。

 照れて俯いたあやめの方は見ずに、前を見たまま、基は言う。

「指と指の間に指があるっていいな」

 あのー、もうちょっとロマンティックな言い方はできませんかね……、
とは思ったのだが、それも基らしくて笑ってしまった。

「そうだ。
 家に車を取りに来てくれるよう、頼んでおくか」

 そう言い、スマホを取り出す基の声を聴きながら、あやめは後ろを振り返る。

 車はまだあったが、高倉は、基に見張られてない、と思わせるために、わざと車を消さなかったような、そんな気がしていた。