100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

「……なにをやってるんだ、お前は。
 そして、なにをさせられてるんだ、俺は」
と基が言う。

 カップルが顔に手をやり、キスするでもなく、お互い、顔を背け合うという謎の体勢になっていたからだ。

「しっ、静かにしてください。
 自然に振舞ってっ」
とあやめは言ったが、

「この体勢で、どう自然に振る舞えと言うんだ……」
と基に言われてしまう。

 それでも、そのまま、30、数を数え、

 ……もういいかな?
とあやめは、そろりと車の方を窺ってみた。

「……消えてませんね」

 車はまだそこにある。

 そんなあやめの様子を見て、基が笑う。

「お前、高倉が車を消すと思ったんだろう」

 すぐにそう言うと言うことは、基もそう思っていたのだろう。

「忙しいのに、あいつも、そうそう俺たちを見張ってないさ」

 いやあ、さっき、確かに見かけた気がしたんですけどね~、
と思いながらも、そこで安堵したように、基が手をつないで来たので、あやめは黙った。

 高倉に見張られていないとわかって、ちょっと積極的になったようだ。