「いや、これは単に、車で移動だからですよ。
薄いコートだったら、そのまま乗ってもシートベルトが……」
苦しくない、と言う前に、あやめは基のあのコートで身体を覆われ、後ろから抱きしめられていた。
いつも嗅いでいる基の匂いに包まれる。
「そんな薄着をしてるから、俺に温めろと言ってるのかと思った」
と基は笑う。
専務……。
家に帰るとホッとすると言いましたけど。
私は最近、家に帰らなくても、専務のいい匂いとか、体温とか感じるだけで、いつでもそこが家みたいに、ホッとするんです。
そう思いながら、目を伏せたあやめに基が言った。
「あやめ。
……お前が許嫁でよかった」
基の身体の温かさを背中に感じながら、あやめは言う。
「私もです」
薄いコートだったら、そのまま乗ってもシートベルトが……」
苦しくない、と言う前に、あやめは基のあのコートで身体を覆われ、後ろから抱きしめられていた。
いつも嗅いでいる基の匂いに包まれる。
「そんな薄着をしてるから、俺に温めろと言ってるのかと思った」
と基は笑う。
専務……。
家に帰るとホッとすると言いましたけど。
私は最近、家に帰らなくても、専務のいい匂いとか、体温とか感じるだけで、いつでもそこが家みたいに、ホッとするんです。
そう思いながら、目を伏せたあやめに基が言った。
「あやめ。
……お前が許嫁でよかった」
基の身体の温かさを背中に感じながら、あやめは言う。
「私もです」



