結局、基は和田さんにめちゃめちゃ懐かれ、手や顔をデロデロに舐められた状態で、あやめの父方の祖父母の家に到着した。
犬は本質を見抜くんだな。
人間はこの人の鋭い視線にビビって、初対面であんなにすり寄っては行かないが……。
屋敷ではもう宴会が佳境に入っていて、何故か、基の曽祖父、ジョン万次郎も来ていた。
……いや、ジョンはなかったか。
「おう、来たか来たか、呑め」
といきなり二人とも酒をそそがれ、呑まされて。
親戚が何人か行き倒れたところで、ようやく基は、
「すみません。
あやめさんをください」
となにかのついでのようにだが、言うことは出来た。
あやめの母は、
「はいはい」
と笑いながら言って、酔っ払いのひとりを肩に担ぎ、部屋を出て行く。
……ものすごい適当だ。
そして、ものすごい腕力だ。



