100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 おそらく、基が気にしているのは、何故、自分たちが許嫁になったのか、ということだろう。

「でも、考えてみれば、その話がなかったら、私は専務の会社を受けていないので。
 こんな風な出会い方はしてなかったわけですよね」

「まあ、そうだが。

 俺はお前が許嫁じゃなくても。
 お前がうちの会社を受けてなくても。

 きっと何処かで出会って、お前を好きになっていた気がするよ」

 そのくらい他の相手は考えられない、と言う基に、あやめもなにか応えなければと思い、

「私だって、道ですれ違っただけでも、きっと専務を選びましたよ」
と言ってみたのだが、基は何故か、

「俺だったら、電車ですれ違ってもお前を選んだぞ」
と張り合ってくる。

 いや、そこで張り合う意味は……と思うあやめに、基は、

「電車で行くか。
 新幹線か?

 それとも、年明けに届くお前の新車でゆっくり行くか?」
と訊いてきた。