100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

「遭難して戻ったとき、みんなに言われたな。
 二人で温め合ったりしたのかと。

 あのとき、俺は言った。

 温め合うほどには、寒くはなかったと」

 あやめ、と基はあやめを見つめ、まだ手にしていたショットグラスを飾り棚に置いた。

「今は、なにも寒くはないけれど。
 ……俺は、お前と抱き合いたい」

 専務……、と見つめるあやめの両肩に手を置いた基は、

「お前がピンチになったときのために、ボタンでも持たせておいて、警備会社が飛んでくるように、お前を助けに行こうと思っていたが。

 今、お前がボタンを押したとしても、俺は助けないな」

 そう言い、少し笑って、口づけてくる。