100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

「……俺は呑むまいと思ってたんだがな」
と空になったグラスを見ながら基は言う。

「呑むと、また、いろいろやらかしそうだから」

 正気のまま、お前に言いたいんだ、と基は真正面から、あやめを見つめる。

 そのまっすぐな眼差しに、

 いえ、いっそ、酔ってください、と思って、あやめの方が視線をそらしてしまった。

「言ったろう。
 ちょっと疑ってないこともなかったんだ、お前のこと。

 だから、100個願いを叶えたら、吐かせようかな、と思っていた」

 でも、そのうち、怖くなった、と基は言う。

「お前が許嫁じゃなかったら嫌だな、と思って、簡単には訊けなくなった。

 そして、100個願いを叶えることは、お前に吐かせるための手段だったはずなのに。

 いつの間にか、お前の願いを叶えてやることが俺の目的になっていた」

『お前の願いを100個叶えてやろう』

 そう言ったときの基の顔を思い出していた。