100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 ガラス扉の向こうには古い洋書が並んでいるが、そこに酒も収められているようだった

「お前の部屋のように選べるほどはないが」
と言いながら、基はウイスキーをショットグラスに注いでくれる。

 いや、苦手なんですけどね、ウイスキー、とあやめは思っていたが、他に選ぶ余地もなさそうなので、それを受け取った。

 ちょびちょびと呑めば大丈夫かと思ったが、口に少し入れただけで、ぐはっ、と声を出しそうになる。

 この鼻に抜ける感じがいいのだろうが、あやめは苦手だった。

 そして、ぐはっ、と思ったのが、顔に出てしまったらしく、基は笑ってあやめを見下ろしている。

 いやいや、ですからね。

 そういう顔をしないでくださいよ。

 顔を上げられないではないですか、と思いながら、あやめは、もう一口呑み、また、ぐはっ、と思いながらも、ぐっと堪えた。

 だが、基の手がショットグラスをあやめの手からひょいと取る。

「苦手か」
と言って、自分が呑んだ。