『大変だったな。
ありがとう』
と基はみんなをねぎらった。
そして、捕物騒ぎのときに、よろけて座り込んでしまっていたあやめに手を差し伸べ、立ち上がらせただけで去っていってしまったのだ。
いやまあ、私は、専務が私の手をつかんで、助け起こしてくれだけで、王子様みたいに見えましたけどね、と締めのお茶を飲みながら、あやめは思う。
なにもできずに震えていた私を助けてくれた王子様に――。
林が聞けば、
「いやいやいや。
みんながこっちに向かってきたから、逃げようとした俺を足引っ掛けて転ばせたの、あなたですよね?」
と言ってきそうだったが。
ありがとう』
と基はみんなをねぎらった。
そして、捕物騒ぎのときに、よろけて座り込んでしまっていたあやめに手を差し伸べ、立ち上がらせただけで去っていってしまったのだ。
いやまあ、私は、専務が私の手をつかんで、助け起こしてくれだけで、王子様みたいに見えましたけどね、と締めのお茶を飲みながら、あやめは思う。
なにもできずに震えていた私を助けてくれた王子様に――。
林が聞けば、
「いやいやいや。
みんながこっちに向かってきたから、逃げようとした俺を足引っ掛けて転ばせたの、あなたですよね?」
と言ってきそうだったが。



