「それは残念でしたね」
夕食の席で、あやめは高倉にそう言われた。
基に、出先で食事はすませてくるから、先に食べておけと言われたのだ。
ひとり、あの広いテーブルで夕食を取っているあやめに、高倉が言う。
「あやめ様。
それは、基様に颯爽と助けていただく絶好のチャンスでしたのに。
基様が到着されるまで、おとなしく、犯人を生かさず、殺さず、捕まえておくべきだったのでは?」
「そうですよね。
脅してでも、私を捕まえさせとくべきでした。
専務が来られたときに、みんなに飛びかかられて、気を失っている犯人の手を私の首に回すとかの機転が私に効けば……」
基が騒ぎを聞きつけて、リフレッシュルームに来たときには、もうすべて終わっていたのだ。



