やれやれ、今日も疲れた。
あやめは広い庭の一角にあるガレージに車をとめると、その屋敷の大きな玄関扉を開けた。
「ただいま帰りました」
と言って、ゆったりと広い玄関ホールに入ると、ホテルマンか執事のような服装をした若い男が出迎えてくれる。
「おかえりなさいませ、あやめ様」
ボディガードと見紛うばかりの屈強な体格に、浅黒い肌が印象的な、この屋敷の使用人、高倉だった。
そのとき、正面の大階段から下りてきた男が、その若いイケメン、高倉の言葉にかぶせるように言ってくる。
「ほぼ一緒に出たのに、ずいぶんと遅いじゃないか、あやめ」
基だ。
もうスーツから着替えているようだ。



