家に帰ると、あやめは、
「では、おやすみなさい」
と言って、あっさり部屋に戻っていった。
基は、脱いだコートを居間の椅子にかけ、ふう、と溜息をつく。
あやめはどのコートが好きと言うわけではなく、ただのコートフェチらしく、どれでもいいようなので、最近は、特にこだわることなく着ていた。
「告白とは……」
いきなり、背後で声がしたので、ひっ、と基は息を呑む。
「告白とは、タイミングを選ぶものではありません。
素敵な夜景や、記念日なんて関係ございません。
今だっ、と思った、そのときにするものですっ」
お前、今、何処から現れた……と基は高倉を振り返る。



