100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 


 金曜日は秘書室の忘年会だった。
 
 酔った浜波が、
「クジ引いて当たったやつが、産業スパイ~っ」
とかいう芸(?)をやり始め、若者はバカ受けし、年寄りは真っ青になっていた。

 いや……浜波さん。

 その話知らない人もいるから、とは思ったが。

 こういう雰囲気で、さりげなく探りを入れようと思っているのかもしれないと思い、あやめは黙って見ていた。

 実際、まったく酔っていないらしい基は、笑っている若者たちの顔を眺めている。

 反応を見ているのだろう。

 忘年会は中華だったので、くるくる回るテーブルの向こうに基がいた。

 去年は、会長秘書だったから、違うテーブルだったんだけどな、と思いながら、去年の基がどうだったのか思い出そうとしたが、なにか何処かで呑んでたな、くらいしか思い浮かばない。

 ……愛を疑う。

 いや、別にずっと前から専務が気になっていたとか言うわけじゃないから、当たり前なんだけど、と自分に言い訳したとき、

「古川、席変わって」
と浜波が言い出した。