100-3は? ~なにもかも秘密な関係~




 あやめ並みに阿呆なことを言ってしまった、と思いながら、内藤は廊下を歩いていた。

『秘書室の産業スパイ、お前ならよかったのに』

 あやめが産業スパイならよかった。

 だったら、あやめが専務に気がある風なのは、スパイとして、専務を籠絡する必要があるからだ。

 ……と思えるのだが。

 まあ、あんな色気のないハニートラップはないと思うが。

 実は、それが罠なのかもしれないし。

 あの専務、あやめに引っかかったことから言っても、うちの前の彼女のようなお色気美女は好みでないと見た。

 専務の好みに合わせて抜擢したら、ああいう女になってしまったと思えなくもなかったのだが。

 あやめは何故かもともと専務の許嫁らしいから、そういう可能性はないのだろう。