100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 いっつも思うんですけどね、専務。

 あなたは酒とか寝不足とかで、なにか感情が振り切れたときだけ、カーッと情熱的に迫ってきて。

 いきなり、酔いがさめたように、ふっと引くんですよね。

 最終的には、いつも私の感情だけが取り残された感じになってしまっているんですが。

 今も、この空間の中で、まだドキドキしてるの、私だけですよね?

 専務?

 ……専務?

 おーいっ、専務ーっ、とその端正な横顔を見ている間に、基は内藤と話しながらエレベーターを降りていってしまった。

 ……何処からか傾奇者(かぶきもの)がやってきて、あの男をポカリとやってくれないだろうか。

 そんなことを思っているうちに扉が閉まりかけ、慌ててあやめはエレベーターを降りた。