「行ってきます」 と朝食後、基と二人、ガレージに向かって歩く。 さて、車に乗り込もう、と思ったとき、 「あやめ」 と呼びかけられ、いきなり手を引かれて、抱きしめられた。 ど…… どうしましたっ、専務っ、と照れるより、何故、このような展開になったのかわからず、固まっていると、 「実は、俺はお前に謝らねばならないことがある」 と基は言い出した。 なにっ? 浮気かっ? とあやめは身構える。 許嫁の私が怒りますよっ、 と都合よく許嫁に戻って思っていたが、違った。