あ~、寒くないとは言っても、冬だからやっぱり冷えたな~と思いながら、あやめは長くお風呂に入っていた。
脱衣場から出て、今日はなににしようかな、と迷う。
ドリンクバーを眺めたあと、高倉が作ってくれた雑誌コーナーから雑誌を一冊抜き、結局、バーカウンターに行って、ミニ冷蔵庫からさっぱり系のチューハイを出して、氷を入れて呑んだ。
なんか最高だな、と思ったあとで、雑誌から顔を上げる。
今は誰も居ない隣のスツールになんとなく、基の姿を探していた。
基の部屋にはドリンクバーも酒の並んだカウンターもないようだった。
……お風呂上がりに、好きな飲み物を飲んで、読みたい雑誌を読んでゆっくりするのって最高ですよ、専務。
なんとなく、基をここに招いてあげたい気持ちになったが。
……そういえば、私、同じ家に住んでいるのに、専務の部屋、何処なんだか知らないな、とあやめは気がついた。
探すといっても、この広い屋敷の中のドアをこの時間に全部ノックして歩くとか迷惑だし。



