「神室。 お前、どうやって帰るんだ?」 会が終わる頃、朔馬が基に訊いてきた。 まだみんな名残惜しげに話しているというのに、基はもう会場から出ようとしていた。 「家から迎えが来る」 「二次会は行かないのか?」 「あやめが待ってるから」 「……誰が迎えに来るんだ?」 「あやめ」 「やはりそういうことな――」 「と高倉」 とクロークでコートを受け取り、基は言う。 「誰だ、高倉……」 やはり、そういうことなのか、と言おうとしたらしい朔馬は途中でやめ、そう訊いてきた。