100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 


 あやめはエレベーターの中、冷静に基と打ち合わせている風を装っていたが、実は頭の中では、いろいろぐるぐると回っていた。

 か、会社で手とか握られてしまいましたよ。

 やめてください。

 パニックになるではないですか。

 大丈夫ですか?

 私の顔は赤くないですか?

 高倉さん、なんでこんなときには現れてくれないんですか。

 鏡持ってきて、
「大丈夫です、赤くないです」
とか言ってくださいっ。

 などと考えていたのだが、動転しすぎて、口調はいつもより冷静になっていた。

 事務的を通り越して、少し冷たすぎるくらいに。