100-3は? ~なにもかも秘密な関係~




 嗅覚の鋭い浜波さんたちには、隠してもどうせバレるしなーと思い、秘書室全体には、あやめからだけ。

 専務専用秘書室への土産は、あやめと基からのものを両方渡したのだ。

 浜波に要求されて、あやめは旅行のときの話をしていたのだが。

「ちょっと待って」
と途中で浜波が言い出す。

「なにそれ。
 一緒に旅行に出たけど、なにもされなかったから、いい人だとか意味わかんないんだけど。

 実はこっちが待ってたら、どうするのよ?
 そんなの、なんにもやさしくないわよ。

 あー、あんたと専務に艶っぽい話、期待しても無駄だった。

 なにかこう、二人とも恋愛に慣れてないっていうか。

 中高生でも、いまどきもっと進んでるわよって感じなんだけど」

 そうですね。
 そうかもしれませんね。

 でも、専務がそんな感じで、ホッとしている私がいます、とあやめは思っていた。