窓側を向いて置かれている半円形の白いソファに腰掛け、あやめはたっぷりの野菜サラダを食べながら言った。
「仕事中とも思えないくらい優雅な気持ちになりますねー」
「そういうわりには、さっきから、サラダだの蕎麦だのばかり食べてるじゃないか」
そう基は言うが。
いや、貴方こそ。
さっきから、肉、牡蠣、肉、とエネルギッシュな組み合わせで。
そっちの方がむしろ、心配になるんですけど、
とあやめは思っていた。
まあ、男の人はきっと、身体の構造が自分たちとは違うのだろうな。
などと考えながら、あやめは言った。
「いやー、昨日の酒がまだ胃にこたえてまして」
だが、打ちたての蕎麦も、色あざやかなサラダも、さっぱりしてはいるが、大満足な品だった。



