「専務……、バーカウンターができてます」
高倉とともに部屋に来た基にあやめは言った。
いつの間にやら、脱衣場の手前に、立派なバーカウンターができていて、酒も後ろの棚に揃っている。
「お作りしましょうね~」
と高倉はさっとカウンターの中に入り、メニュー表を出してくる。
……作ったのか、これも、と洒落た紙に印刷されたメニューを二人で身を乗り出して見た。
「それは食堂の佐原さんがノリノリで作ってくれました」
と高倉が笑って言う。
ほんとうに楽しい人たちだな、此処で働く人たちは。
もともとこうだったのか、高倉が来てからこうなったのかは知らないが。
結局、二人で並んでスツールに座り、高倉に酒を頼む。
基は、
「だから、お前は何故、俺の部屋に作らない……」
と高倉に文句を言っていた。



