「なんでバスで帰ってくるんですか。
呼んでくだされば、私が迎えに行きましたのに」
と屋敷に帰ると、高倉が迎えに出て来てくれた。
割烹着は着ていなかったが。
「あやめとバスに乗ってみたかったんだ」
と言いながら、基が中に入る。
「そうですか」
と高倉が笑い、あやめは照れた。
荷物は向こうから送っていたが、屋敷と会社への土産だけは持って帰っていた。
「どうぞ、お腹空いたでしょう」
と言われ、手を洗って食堂に向かう。
「あー、なんか家って落ち着くなって思ってしまいました」
と食事をしながら、あやめが言うと、給仕してくれていた高倉たちが笑う。
ちょっと嬉しそうだった。
そりゃ、そうだな、とあやめは思う。
この人たちが、毎日せっせと家の中を整えてくれているから、快適に過ごせてるわけだし。
今では、彼らも含めて、みんな家族という感じだ。



