100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

「買わなくてよかったな、温かいシャツ。
 お前を温める口実ができた」
と基は言う。

 専務。

 ……専務っ。

 なんで突然、そんなに積極的になるんですかっ。

 ああっ、そういえばっ。

 さっき、旅行の呑み納めだと言って、私が新幹線で日本酒買って勧めたんだったーっ。

 しれっとした顔で後ろから抱きしめないでくださいーっ、と思いながら、あやめは言う。

「専務、酔ってますね」

「お前は、酔ってないのか。
 酒、チェイサー酒のやつが」
とあやめの頭に頬を寄せた基が酔ってるくせに、嫌味をかましてくる。

 あやめが、自分が酔わないのは、酔い始めたら、水をチェイサーとして飲むからだ、と言いながら、移動販売のお姉さんから、ワインを買って。

 日本酒、チェイサーとしてワイン、になってしまったからだろう。