100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

「真っ暗ですねー」
とあやめは少し身を乗り出した。

「落ちるぞ」
と基が言う。

 少し先の方には、夜釣りの人たちが点々と座っていたが、この辺りには今は人気がなかった。

 冬なので暗いが、まだそんなに遅い時間ではないので、カップルも湧いてきていないからだろう。

 凍てつく冬の海に映る工場の灯りを眺めていたあやめだが、さむっ、と身震いする。

 すると、後ろから誰かが温かいもので包み込んでくれた。

 真後ろに立った基が、自分が着ている、あのあやめお気に入りのコートであやめを包んでくれたのだ。

「……少しはあったかいか」

「はい」

 って、密着しすぎなんですけどっ。