100-3は? ~なにもかも秘密な関係~





「帰りは大道通らなかったから、誰が傾奇者(かぶきもの)だったのか、わからないですねー」
とあやめは帰りのタクシーの中で言って、

「なにが傾奇者だ、莫迦者」
と言われてしまった。

 いや……傾奇者って言ったの、専務ですからね。

 充分観光を堪能して、新幹線で戻ってきたのだ。

 タクシーで家に戻っていると、基が運転手に、
「すみません。
 やっぱり、港で降ろしてください」
と言っていた。

「え? どうしたんですか?
 高倉さんが、晩ご飯用意して待ってますよ」

 いや、用意するのは、シェフなのだが、高倉がそう言ってきたこともあり、頭の中では、割烹着を着た高倉が煮物を作ってくれていた。

「ちょっと寄り道していこう。
 夜景が綺麗なところがあるんだ」
と基は言った。