自分より煩悩の固まりのような気がする高倉が、今だけは頭の中で、菩薩様のようになっていた。
もし、今、誰かが此処にいて、はたから自分を見ていたら、すごく冷静に行動しているように見えたかもしれないが。
心の中は、まったく、そんなことはなかった。
そっと立ち上がり、あやめの顔の横に手をつく。
いいんじゃないか?
別にあやめは俺を嫌ってるわけではないようだし。
そうだ。
俺のことが嫌いなら、いくら俺が強引に出たって、あやめなら、光速より速く逃亡してるはずだし。
いいんじゃないかな?
と思ってしまったが。
……でも、本当は、あのとき、お前にキスしたかったんだ、と思い出す。
あの雪山で、お前が自分のチョコを俺の口に押し込み、微笑んでくれたとき。
お前が内心、小鳥かなにかにエサをくれてやるくらいの気持ちだったとしても、俺はお前のやわらかな指が唇に触れただけで、中高生のようにときめいたんだ。
あそこで堪こらえられたから、今がある気がする。
もし、今、誰かが此処にいて、はたから自分を見ていたら、すごく冷静に行動しているように見えたかもしれないが。
心の中は、まったく、そんなことはなかった。
そっと立ち上がり、あやめの顔の横に手をつく。
いいんじゃないか?
別にあやめは俺を嫌ってるわけではないようだし。
そうだ。
俺のことが嫌いなら、いくら俺が強引に出たって、あやめなら、光速より速く逃亡してるはずだし。
いいんじゃないかな?
と思ってしまったが。
……でも、本当は、あのとき、お前にキスしたかったんだ、と思い出す。
あの雪山で、お前が自分のチョコを俺の口に押し込み、微笑んでくれたとき。
お前が内心、小鳥かなにかにエサをくれてやるくらいの気持ちだったとしても、俺はお前のやわらかな指が唇に触れただけで、中高生のようにときめいたんだ。
あそこで堪こらえられたから、今がある気がする。



