100-3は? ~なにもかも秘密な関係~

 いや、待ってくださいよっ、とあやめは思う。

 私は高校のとき、ちょっと格好いい先輩がいたのに、文化祭のあと、軽く手を握られただけで、走って逃げた女ですよ。

 キスのひとつもしたことないんですっ、と寝たまま思っていた。

 もう触れたかと思うくらいすれすれに基の唇の熱を感じたが。

 基はベッドから手を離し、何処かへ行ってしまった。

 ……専務。

 やっぱりやさしいな、とあやめは思う。

 今まで、思い込んだら、すぐ突っ走る困った人だと思ってて、すみません。

 ありがとうございますっ、専務っ。

 一生ついていきますっ、と大感謝したあとで。

 いやいや、一生ついていくとか行ったら、こっちが押し掛け女房みたいだな、とあやめは寝たまま照れる。

 そんな感じに、あやめの中では、美しく話が終わっていたのだが、基の中では、まったく美しくもなく、終わってもいなかった。